2009/09/05

ドイツ国際平和村(1)

M1の中村です。

ドイツ国際平和村への支援活動をしている、女優の東ちづるさんの講演会に参加しました。

何回かに分けて紹介したいと思います。


ドイツ国際平和村は、紛争地域や危機に瀕した地域の子どもたちへの医療援助を行なう為、ドイツの市民によって1967年に設立されました。

HP:http://www.friedensdorf.de/welcome3.html

この講演会では平和村の活動紹介を通して、ボランティアの大切さを学ぶことができたので、ここで紹介したいと思います。



さて、皆さんはボランティアの日本語訳を知っていますか?

時々ニュアンスで『奉仕』と訳す人がいますが、それは間違いです。
奉仕はサービス。ボランティアは志願することです。

つまり自らすすんで行うことをボランティアと訳します。

ドイツはボランティア先進国です。

そのボランティア精神は凄いものです。


平和村では国連でも把握しきれない傷ついた子どもたちを助けようとしています。

平和村ではまず、貧困や紛争地域に赴き、子どもたちを連れてきます。

例えば、国連が入らない紛争地域のアフリカのアンゴラに行ったときの話です。

アンゴラには多くの傷ついた子どもたちがいます。
その地域にはおよそ500人。
中には脚のない子や、目の見えない子、さらには脳みそが見えている子なども普通に大勢います。

どうしてそうなったの??と聞いて返ってくる答えは“どうしてこうなったか分からない”というものです。
つまりあまりに不幸が重なって、理由がどれか分からない状況なのです。

そんな中で、平和村の人は43人の子どもを選別しなくていけません。
なぜなら500人も収容するスペースが平和村にはないこと、他の地域の子どもたちも連れて行かないといけないことが前提だからです。


どうやって選別するのか?
条件があります。

・貧困の家庭であること
・引き取り手がいること
・生きていけそうな子であること

です。
生きていけそうな子というのは、連れていく過程で死んでしまうような子でないということです。
平和村で死ぬなら、母親の手の中で死んだ方がよいということです。


もちろん、この条件に当てはまる子どもは沢山いますし、子どもを連れていきたい母親も沢山います。
ですが、選別しなくてはいけません。

断るとき、母親は平和村のスタッフを責めません。
“どうして私の子どもを助けてくれないの?”とは責めません。
それは彼女らが絶望に慣れきっているからです。

連れて行かれる子どもたちは泣き叫びます。
捨てられる、売られると思っているからです。

そんな現状の中で、子どもたちはドイツに飛び立ちます。

ドイツではその子どもたちを受け入れる体制が整っています。
まず入国審査がありません。それから菌に対する注射も行いません。
注射は1000本以上しなくては意味がないそうです。


ドイツに降りると、すばやく救急車が来て病院やリハビリセンターに運ばれます。
そして何カ月か手術をして、平和村に行くのです。
医者はいつも“どうやったらこんなひどい状態になるのか分からない”と言います。

訪れる救急車は正規の救急車ではありません。
ドイツでは講習を受ければ誰でも救急活動ができます。
来ている救急隊員のほとんどがボランティア学生です。

色々な地域から来るので、色々な国の言語を学んだ各学生が対応します。
こういった取り組みこそドイツがボランティア大国である所以です。

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